安愚楽牧場

「和牛オーナー制度」で知られる安愚楽牧場(本社:栃木県)が経営悪化を理由に、全国3万人の
オーナーや取引先への支払いを休止している。福島第一原発事故の影響で出荷規制があったり、
牛肉価格が下落したことが原因だと牧場では説明している。
2011年8月2日に細野豪志原発担当兼消費者担当相が同牧場も賠償の対象となる可能性を示唆
したが、「和牛オーナー制度」問題に長く取り組んできた紀藤正樹弁護士は、「和牛預託商法」を
行っていた殆どの業者が破綻したのは、このビジネスモデルに最初から無理があったためでは
ないかと推測する。
「和牛オーナー制度」を実質的には金融商品ととらえていたオーナーは多いと思われるが、年率
数%の利益を安定的に継続させるのはむずかしい。新規契約者からの入金を配当に回す自転車操業
陥っていたとすれば、同社には福島第一原発事故は事業を畳む千載一遇のチャンスともなり得る。
賠償の対象とするか、慎重な判断が求められる。