少子高齢化になる前のとある家族の話

母さんは早くに祖父母に死なれている。
爺ちゃんの両親(つまり、ひい爺ちゃんとひい婆ちゃん)は爺ちゃんが結婚する前に死んだ。
婆ちゃんの父さんが病気で寝込んだ時は、婆ちゃんの母さんと弟妹が看病して自宅で看取った。
婆ちゃんの母さんは、脳卒中で倒れて、長男の家にちょっとだけいたが嫁さんと反りが合わず、
ほとんど入院していて、約1年後に病院で死んだ。完全看護の今と違って、付き添わなくては
ならなかったが、婆ちゃんは8人きょうだいでその頃にはきょうだいの末っ子も結婚していたので、
娘と嫁とたまに息子、というローテーションを組んで乗り切った。1か月に数日程度の当番で済み、
たいした負担ではなかったらしい。プロの付き添いさんを頼むと費用が嵩んで却って大変。入院費も
当時は老人は無料だったので、きょうだい間で揉めることもなかったよう。
老人は少なく、子供や孫がわんさかいた、ちょっと昔の話。