「表日記」と「裏日記」を書き分ける

中学生の頃日記をつけていた。
当時は、ケータイもPCも自由に使えなかったので、紙の日記帳を使っていた。
辞書のように箱にはいった日記帳を奮発して使っていた時のこと。
学校から帰ると、机の上に箱だけ置いてある。
慌てて引き出しを開けると、日記帳本体は中にある。
学校に行っている間に、親が日記を盗み読みしていた。
親に読まれるのは最悪なので、学校に持って行くしかないと、鞄の中に入れて寝た。
翌朝、「学校に持って行くと、みんなに読まれちゃうよ」と言われて、食事を噴き出しそうになった。


それから、その日記帳は「表日記」になった。
親なら簡単に叶えてくれそうな望み ー欲しい物とか、部屋の中をどうしたいとかー を書いておく。
誕生日とかクリスマスとかに、よく解っているだろ?とばかりに得意げな親の顔といっしょに
望みが叶う。
親ってこの程度かと思ったあの頃が、曲がり角を曲がった時というか、分かれ道の一つを選んだ時
だったのだと思う。


教科のノートに紛れて、何の変哲も無いノートに綴ったのが「裏日記」になった。
親がこの程度ならそれを乗り越えてやろうなどとは決して考えず、こっちだってその程度なんだろうと
いう自覚を持った。
何につけ早めに諦めるという姿勢がこの時期に身についたのはよかったと思う。


ところで、はてなは「表」? それとも 「裏」?