チュニジア、エジプトで民主化革命が起こり、リビアでもカダフィ大佐による支配が終わりに近づいて
いる。他の中東諸国で反政府デモの動向が最も注目されるのはバーレーン。世界最大の産油国で
あるサウジアラビアに波及する展開が警戒される。バーレーンとサウジアラビアは、同じGCC
(湾岸協力会議)加盟国で関係が深い。
親米だったムバラク前政権を米国が救わなかったことをみて、他の親米諸国の支配層はいつまでも
米国には頼れないと判断するだろう。危機的な立場にあるのは米国と親密な関係にあるイスラエル。
イスラエルと中東諸国との関係がいっそう緊迫化すれば、再び『中東戦争』が起こってもおかしくは
ない。その場合、世界はかつてのオイルショックのような原油急騰に直面する。